2024年7月にフリーライターとして独立し、現在は食の都福岡を拠点として活動する今橋大輝 氏。多数ジャンルのSEO記事執筆の他、福岡のグルメ系メディアの執筆も担当されています。福岡グルメに魅了され毎週食べ歩き、訪れたお店は1年で100軒超え。それでもまだ、行きたいお店が400軒以上残っていると語ります。1日10時間執筆活動に費やし、福岡の食も日々堪能されている今橋さんに、独立に至るまでの経緯や大事にしている価値観、福岡の魅力についてうかがいました。
仕事仲間から、あたたかく背中を押されて独立
ーー最初に自己紹介と、現在の活動について教えてください。
現在はフリーのWebライターとして活動しています。Webライターを始めたのは2023年3月。最初は副業としてでした。始めたころは思うように収益が伸びず、ブログへの転向を考えた時期もありました。しかし、ご縁に恵まれ、2024年7月に独立。収入の安定性はなくなりましたが、24時間何をしていても自由で快適な毎日を送っています。
ーーWebライターを始めたきっかけと、独立するまでの経緯はどのようなものでしたか?
独立する前は、会社員としてコールセンターで働いていました。最初の勤務地は東京でしたが、福岡で新しい事業所を立ち上げることになり、立ち上げメンバーとして福岡に転勤。PCすら整備されていない状態からの立ち上げで大変でしたが、働いていて楽しかったです。

しかし、立ち上げが落ち着いた頃、Youtubeでとある教養系動画を観たときに、「会社が一生守ってくれるわけではない」というメッセージに触れました。そこから、もう1つの収入源がほしいと思い、まずは副業としてライターをスタートしました。ただ当時は、まだ独立までは考えていませんでした。
それからしばらくしたあと、「会社員を続ける」ことについてふと考える機会がありました。そして、いずれ管理職になったときに、オペレーターの中でパフォーマンスが低い人を解雇する、という嫌な仕事をする必要があることに気付いたのです。私より年齢が高いオペレーターがほとんどでしたが、お話したり一緒に研修を受けたりすることは、とても楽しいものでした。そのように仲良くしていた人を解雇するような仕事はしたくないと思い、当時の上司はとても良い人で目をかけてくれていましたが、「私の20代、これで良いのか」という思いが勝り、独立に踏み切りました。
上司に退職を伝えたとき、最初は青ざめていましたが、「自分の生きたいように生きてほしいから、独立を応援する」と最後には言ってくれました。また、オペレーターの皆さんからは退職時にセレモニーを開いてくれて、プレゼントとメッセージもくれました。そのおかげで、晴れ晴れとした気持ちで独立できました。仕事や人にはいつも恵まれていて、ありがたく思っています。

「好きや得意を仕事に」できている実感
ーーライターとしての得意ジャンルや、特に手応えを感じている仕事について教えてください。
SEOライティングについては、教育・通信・ITなど、ジャンルを固定せずに幅広く対応しています。SEOライティングの面白くてやりがいがあるところは、記事をつくるためにインターネットを活用して下調べするときに、明確な答えがあるようで実はないことです。
たくさん下調べして、「読者はどういう気持ちで検索し、このワードに辿り着いたのだろう」と考えます。その作業を乗り越えて、執筆した記事がインターネット上の検索順位で1位になったり、クライアントから「よくここまで調べてくれましたね」という言葉をいただいたりしたときは「やってよかった、良い記事をもっと書けるようになろう」と思います。
また、福岡のグルメ系ローカルメディアからも、継続的に仕事をいただいています。もともと食べることが好きで「100歳まで元気に好きなものを食べて生きていく」という目標があるのですが、ご飯が美味しい福岡で好きなものを食べて、応援したいお店を紹介する記事を書いて、報酬をいただけることはとても楽しいことです。「好きや得意を仕事に」できていて、このお仕事を最初にいただいたときには感動したことも覚えています。

ーーもともと文字を書くことは得意だったのですか?
これまで、得意という意識はありませんでした。ただ、書くこと自体は好きだったと思います。ライターになる前でも、これまで食べたものをすべて、収益目的ではなく自主的に文章でまとめていたんですよね。ただし、SEOなどのスキル自体は、Webライターを始めてから身につけました。また、独立してからは1日3時間を読書に充てており、色んな表現や知識に触れて、普段の記事執筆の品質をさらに上げられるように努めています。
息抜きの時間を確保したことで、不思議なことに収入が増えた
ーーフリーライターになってからは、1日どれぐらい仕事をされていますか?
1日10時間以上は仕事をしています。会社員のときよりも働く時間は長いですが、今のところ苦しさはありません。執筆すること自体が楽しく、自分が手がけた仕事がダイレクトに報酬として返ってくることにも面白さを感じています。
ーーフリーライターは自宅で作業することもあり、オンオフの切り替えが難しいように思います。息抜きはどのようにされているのでしょうか?
息抜きの方法については、独立してからけっこう考えました。一つの息抜きは読書の時間。もう一つの息抜きとしては、好きなアニメを観る時間を夜に確保しています。知り合いの経営者から、好きなことに時間を使うことの大切さを教えてもらったことがきっかけです。アニメを観ているときは、どのような連絡があっても取り合わないようにしています。
息抜きの時間を計画的に取り入れたことで、不思議なことに、働く時間が少し減ったうえに収入が上がりました。オンオフの切り替えの大切さをを学んだ瞬間でしたね。また、学生時代からの習慣として、毎朝ランニングもしています。ライターはデスクワークで体を動かさないので、健康のためにも継続していきます。

「感謝」と「読者目線を忘れないこと」が大切
ーー顧客から継続案件をもらうために心がけていることや、執筆するときに大切にしていることを教えてください。
普段から、「感謝」の気持ちを持つことを大切にしています。多くのライターがいる中で私を選んでもらい、限られた予算から報酬をいただけることは、本当に奇跡的なことだと考えています。この感謝の気持ちがあるからこそ、仕事に向かう姿勢が整い、顧客とも円滑なコミュニケーションが取れていると思っています。
執筆中は基本的なことではありますが、「読者目線」を忘れないように気をつけています。同じジャンルの記事を執筆していると、知識が積み重なってリサーチする時間が縮み、執筆のスピードは上がります。しかしその分、読者目線を忘れてしまいがちです。だからこそ、常に文章の向こうには、読んでくれる人がいることを忘れないようにしています。よくあるミスとして、専門的な用語を使ってしまったり、「これぐらいわかるだろう」と少し説明を省いてしまったりすることがあります。そうならないように、常にフラットな視点を持ち、適宜読み返しながら執筆しています。
「好き」がAIに負けない品質につながる
ーー「食」へのこだわりは、Webライターの仕事にどのようにつながっていますか?
私は食べることが本当に好きなんですよね。幼い頃、私を可愛がってくれていた祖母が美味しいものをたくさん作ってくれて。「蕎麦屋さんに行きたい」と言ったら、連れて行ってもくれました。おそらくそのころから、「食」へのこだわりが強くなったのだと思います。

私の場合は「食」になるのですが、このような「好き」は必ずライターとして生きてくると思っています。たとえば、SEOライティングとして、ただわかりやすい情報をまとめるだけであれば、AIにいつか負けてしまいます。しかし「食」の場合は味だけではなく、感じたことやお店の雰囲気、店主の熱量など、人ではないと書けないことが多いです。このように、何かに対して好きな人が文章を作ることで、独自性が生まれて読まれる記事になると考えています。
ーー今橋さんが大好きで記事の執筆もされている、福岡グルメの魅力についても教えてください。
福岡は人の温かみがある街だと思います。オープンマインドの人が多く、こちらから聞かなくても自分のことを話してくれるくらいです(笑)飲食店のスタッフと話をするときも、さまざまな経験を聞かせてくれてとても楽しいです。たとえばカレー店のスタッフと話すと、インドで修行したときの話をしてくれたりします(笑)
ぜひ福岡の飲食店に入ったら、スタッフに声をかけてみてください。また、福岡は魚や野菜が新鮮ですべての料理が美味しく、価格もお手頃です。
ーー今後、ライターとして挑戦していきたい分野やテーマ、どのような価値を提供していきたいかを教えてください。
グルメ系のライティングにもつながってくるのですが、世の中にはまだ知られてない魅力的な飲食店がたくさんあります。また、魅力を知られないまま消えていってしまうお店も多くあるのです。そのような飲食店の魅力や価値を、たとえばMEO施策やホームページへの導線の改善などを支援し、世の中にしっかりとアウトプットされるような活動をしていきたいです。
また、ライターという枠にとどまらず、たとえばLINE構築など、今後はいろんなビジネスに挑戦して、AIにも負けない「今橋ブランド」を作っていきたいと考えています。

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