【AIハイブリッド記事】「効率化はゴールではない」──製造業DXを内側から動かした実務家が語る、現場変革の流儀

当記事はインタビュイー松本さんのご了承のもと、以下の手順で作成した記事です。

生成AIで構成・執筆。他の工程(インタビュー、添削・仕上げ)は手づくり。

同インタビューで全行程手づくりした記事はこちら↓


DXという言葉が一人歩きする時代において、「現場が本当に困っていること」を起点に変革を推進できる人材は希少です。広島の自動車部品関連企業で約20年にわたりIT部門を担った松本 恵和氏は、ERP刷新、RPA導入、ビジネスチャット定着など、複数のDXプロジェクトを成功に導いてこられました。特筆すべきは、システム専任ではなく生産管理との兼務でこれらを成し遂げられた点です。

コロナ禍の直前にMicrosoft Teamsを導入し、リモートワーク体制を整えていたことは「先見の明」と称賛されましたが、その裏には、経営者と現場の双方を動かすための周到なアプローチがありました。効率化を目的にしない効率化とは何か。組織を動かすDX人材に求められる資質とは。製造業の内側から変革を仕掛けてこられた実務家にお話を伺いました。

目次

──まず、松本さんがいらっしゃった会社について教えていただけますでしょうか。製造業のIT部門とのことですが、具体的にはどのような事業をされていたのでしょうか。

勤めていた会社は、鉄鋼メーカーから鋼材を仕入れて、お客様の規格に合わせて加工・納品するコイルセンターという業種でした。鉄鋼メーカーは30トン規模のコイルを製造しますが、部品メーカーさんが必要とするのはその一部だけなんですね。木材に例えると、森から切り出した原木を建築用の柱に整える工程に相当します。このように加工した材料を、自動車関連の部品メーカーにお届けしていました。

──そうした現場でDXを推進される際、最初にぶつかる壁はどのようなものでしたか。

どのようなプロジェクトでも、必ず「それって何か意味あるの?」という反応から始まります。そこで、私は常に2つの視点を持ってアプローチしていました。まず経営層に対しては数字で価値を示します。コスト削減額や工数削減時間を具体的に算出してお見せするんです。売上を増やすよりも経費を削減するほうがはるかに利益につながりますから、その点を明確にお伝えしていました。

──現場の方々に対してはいかがでしょうか。「自分たちの仕事がなくなるのでは」という不安を抱える方もいらっしゃると思いますが。

おっしゃる通りです。そこで私がやっていたのは、まず部門長に「本当はもっとやりたいことがあるんじゃないですか?」とお聞きすることでした。たいてい「こういうことをやりたいけど、みんな手が足りなくて」という答えが返ってきます。そうしたら「この業務を効率化すれば時間が空きますよね。そうしたらその仕事ができるようになりますよ」とお話しするんです。

多くの人が陥りがちなのですが、効率化をゴールだと思ってしまっていることです。でも効率化は手段であって、その先にやりたいことがあるはずです。そのゴールを事前にきっちりと明確にしておくことで、否定的な意見はほとんど出ませんでした。

──具体的な成功事例についてお聞かせください。特に効果が高かったプロジェクトはどのようなものでしたか。

一番大きかったのは、工場への作業指示書作成の自動化ですね。年間で約1万枚の作業指示書を作成していて、1枚あたり5分程度かかっていました。年間で約9,000時間、10人ほどの担当者がこの業務に関わっていたんです。リピート性が高い指示書の場合でも、毎回ゼロから入力していたんですね。でも、これだけリピート性があるなら、過去のデータを使ってボタン一つで作業指示書を生成すればいい。イレギュラーなケースだけ人間が対応すればいいんじゃないかと考えました。

──どのような技術で実現されたのでしょうか。

開発にはVBAを使いまして、RPAツールのUiPathと組み合わせて運用しました。専用端末を3台設置して、どこで入力してもデータが集約され、自動処理が走る仕組みです。結果として、年間工数の約8割を削減することができました。私はものすごく面倒くさがり屋なんですよ。無駄なことが大嫌いで、怠惰を求めて勤勉になるタイプなんです。繰り返し作業を見ると「これ、自動化できるんじゃないか」と考えてしまうんですね。

──このプロジェクトの背景にはどのような課題があったのでしょうか。

慢性的な残業問題がありました。担当者の多くが1日4時間近く残業している状況で、部門長としては残業を1時間以内に抑えたいというご意向でした。その裏には、管理業務やキャッシュポイントの強化に人的リソースを振り向けたいという経営課題もあったんです。残業が多い状態では、そういった話もできませんからね。

──もう一つの成功事例として、Microsoft Teamsの導入についてお聞かせください。コロナ禍より前に導入されていたそうですね。

はい、きっかけは意外なところにありまして、「電話を取らない社員が多い」という社内の不満だったんです。一部の社員しか電話を取らず、その人たちに負担が集中していました。取り次ぎのために相手の居場所を確認しに行く手間もかかります。経営層としても課題感を持っていました。

──その課題に対して、どのような解決策を提案されたのでしょうか。

当時ソフトバンクさんが展開されていた、市外局番を取得できるインターネット電話サービスに目をつけました。これをMicrosoft 365のアカウントと電話システムに組み合わせて、社員一人ひとりに直通番号を持たせる仕組みを設計したんです。
直通電話があれば取り次ぎの手間がなくなりますし、従来のオンプレミスPBXを廃止することで保守費用と通話料も削減できます。

試算したところ、年間で約100万円のコストメリットがありました。経営層には数字を見せて、「これをやればストレスも軽減されてエンゲージメントも上がりますよ」と提案しました。すぐに「面白そうだ、やろう」と言っていただけましたね。

──そしてコロナ禍が始まったわけですね。

導入から約3カ月で定着しまして、その後まもなくコロナの感染拡大が始まりました。同業他社さんは仕事が回らないとおっしゃっていたようですが、自社はすでにTeamsを導入していたので、すぐにリモートワークに移行できたんです。事務作業をする人は全員リモート。RPAで自動化していた作業指示書も、Excelで処理すれば専用端末にファイルが作成されて自動で動く。どこでも仕事ができる状態になっていました。

後から聞いた話では、コロナ禍のタイミングでTeams導入を検討された企業さんは半年待ちになっていたそうです。経営者の方々から「先見の明があったね」と褒めていただいたとき、内心「そうでしょう」と思っていました(笑)。

――20年近く製造業のDXを現場で推進されてきた松本さんから見て、DX人材に求められる資質とはどのようなものでしょうか。

まず、前向きであること。これがなければ何も始まりません。スキル面では、自分で調べられることが重要です。実務の理解やコーディングスキルは後からついてきます。あったほうがいいですけれど、ベターであってマストではないですね。

マストとして挙げるなら、コミュニケーションスキルと課題解決力です。経営層を動かし現場を巻き込むために、対話が必要になるからです。そして「こうすれば課題を解決できる」と考えられる力。いわゆるコンサルタントに求められる資質に近いかもしれません。あとは数字に強い人、ストーリーを作れる人です。

──ご退職時には後任を育成されたと伺いました。

はい、開発経験のない後輩でしたが、半年後には実務をこなせるようになっていました。その後輩は、自分で調べるスキル、コミュニケーション能力、課題解決力──先ほど申し上げた資質を全部持っていたんです。私からはAIの使い方も教えました。開発はAIに書かせて、レビューも複数のAIにやらせる。90点ぐらい取れたらOKという基準で、あとは実際に動かして確認する。それで十分回るんです。

──最後に、現在のお仕事と今後の展望についてお聞かせください。

現在は障害福祉事業とDX支援事業を展開しています。DX支援事業では林業、造園業、足場業、建築業といった、外で働く業種を中心に、見積書作成や事故報告の共有といった「現場が本当に困っていること」を起点にしたシステム開発を手がけています。

DX支援をするときには、機能要件だけ満たして終わりにする人と、画面遷移一つでどれだけ使いやすくなるかまで考える人がいます。私は後者でありたい。実務を理解している人間でなければ、本当に使いやすいものは作れないと思っています。それがDXを成功させる鍵だとも考えていますね。

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