導入事例記事を営業担当者に渡して商談で活用してもらったのに、お客様側の決裁者が承認しないケースは少なくありません。
理由はシンプルで、現場担当者と決裁者では、導入事例記事を読む際の視点が根本的に異なるからです。
導入事例記事の制作段階で、決裁者が稟議を承認する際に確認するポイントを意識した設計をしておくことで、商談後の稟議が通りやすくなります。
現場担当者と決裁者では、見ているポイントが違う

現場担当者が導入事例記事を読む際に重視するのは、「自分の業務課題が解決できるか」という実務レベルの視点です。
一方、決裁者が稟議を承認する際に重視するのは、「リスクが少ない状況下で、バリューのあるサービスを導入し、ROIを高められるか」という投資判断の視点です。
現場担当者が「使えそうだ」と感じた導入事例記事でも、決裁者が求める情報が含まれていなければ、稟議の場で止まってしまいます。営業企画・営業責任者として、導入事例記事の制作段階でこの視点の違いを理解しておくことが重要です。
稟議を通す導入事例記事に必要なチェック3つ
チェック① 投資対効果が数値で書かれているか

導入事例記事の中に、以下のいずれかの数値が含まれていますか?
- 導入前後でのコスト削減額・削減率
- 業務時間の短縮数値(月〇時間削減など)
- 売上・問い合わせ数・商談化率の変化
- 導入にかかった期間と定着までのプロセス
数値がひとつも含まれていない導入事例記事は、決裁者が投資対効果を判断できません。取材の設計段階で「どの数値を取るか」を決めておく必要があります。
取材担当者に事前に共有しておきたい質問例:
- 「導入前後で、数字として変化したものを教えてください。(コスト・工数・売上・件数など)」
- 「導入にかかった期間と、現場に定着するまでにどのくらいかかりましたか?」
チェック② 導入前のリスクと、リスクヘッジの内容が書かれているか

決裁者が稟議を承認する際、「このサービスを導入して失敗したらどうなるか」というリスクの確認は必須です。ただし、リスクの有無だけでなく、「リスクに対してどのようなヘッジができるのか」まで明確に書かれているかどうかが重要です。
決裁者が求めているのは「リスクがない導入事例」ではなく、「リスクを把握した上で、適切にヘッジできる導入事例」です。現場担当者は「使えるかどうか」を見ますが、決裁者は「安全に投資できるかどうか」を見ています。導入事例記事の制作段階で、この視点の違いを意識して設計することが大切です。
導入事例記事の中に、以下の内容が含まれていますか?
- 導入前に取材先のお客様が感じていた懸念・不安の具体的な内容
- 社内での反対意見や慎重意見と、最終的にどう判断したか
- 懸念に対してどのようなリスクヘッジを行ったか
- 導入後に想定外の事態が発生した場合の対処方法
取材担当者に事前に共有しておきたい質問例:
- 「導入前に一番不安だったことは何でしたか?」
- 「社内で反対意見や慎重な意見はありましたか?最終的にはどう判断されましたか?」
- 「導入に際して、どのようなリスク対策を取りましたか?」
- 「導入後に想定外のことはありましたか?あった場合、どう対処されましたか?」
チェック③ 決裁者が「自社に当てはまるケース」と判断できるか

導入事例記事を読んだ決裁者が「うちと同じような規模の会社が導入して、同じような結果が出たのか」と判断するために必要な情報が含まれていますか?
ここで特に重要なのは「企業規模」です。大手・中堅企業の決裁者が、規模感の大きく異なる中小企業の事例記事を読んだとき、「規模が違いすぎて参考にならない」と判断されてしまうケースがあります。
一方、業種が違っていても、企業規模や業務設計が近ければ「導入してうまくいく可能性がある」と判断されます。業種だけで絞り込むのではなく、企業規模を最優先の判断基準として設計してください。
導入事例記事の中に、以下の情報が含まれていますか。
- 取材先のお客様の企業規模(従業員数・売上規模など)
- 導入前に抱えていた課題の具体的な状況
- サービス導入が特に効果を発揮しやすい企業規模・状況
- サービス導入が向いていない企業規模・状況
取材担当者に事前に共有しておきたい質問例:
- 「導入するかどうかを判断する際に、一番重視されたポイントはどこでしたか?」
- 「どのような条件や状況が揃ったとき、導入してより効果が出やすいと感じますか?」
稟議を通す導入事例記事が機能する条件・しない条件

機能する条件: 導入事例記事の制作に向けた取材に入る前に、「どの決裁者層に向けた事例にするか」が決まっている場合。決裁者のペルソナが明確であれば、チェックリストの3点を取材設計に組み込めます。
機能しない条件: 取材担当者に質問例だけ渡して、あとは任せている場合。「どんな事例記事として仕上げたいか」という方向性が共有されていなければ、稟議に必要な情報が揃わないまま記事が完成してしまいます。
まとめ

稟議を通す導入事例記事に必要な、決裁者が見るポイントは3つです。
- 投資対効果が数値で書かれているか
- 導入前のリスクとリスクヘッジの内容が書かれているか
- 決裁者が「自社に当てはまるケース」と判断できるか
現場担当者と決裁者では、導入事例記事を読む際の視点が根本的に異なります。導入事例記事の制作段階でこの違いを意識した設計をしておくことで、商談後の稟議が通りやすくなります。
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